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ホワイトデーなのでSS投稿

「サハル……知っているか?」
「何がでしょう? 義時さん……」
「ホワイトデーは15日でも有効だということを……」
「そんなまさか……」
「そのまさかなんだよ!」
まあ、嘘だけど。
「渡すタイミングがなくて、渡せなかった。クッキーとちょっとしたプレゼントが入ってるから受け取ってくれ」
「あ、はい! ありがとうございます」
サハルは受け取った箱をドローンに仕舞う。

「それにしてもどこでクッキー買ってきたんですか? 見たことのない包装の箱でしたけど……沙杞さんも確か見たことのない包装の箱でしたね……」
サハルは不思議そうに首をかしげる。
「そらそうだ。箱は通販で買って、中身は沙杞の手作りだからな」
「あ、そうだったんですか。ではあなたは何を?」
「え? その箱の代金と材料の金を出しただけだが?」
「えーそれはひどくないですかー?」
「いいんだよ! 細かいことはいいんだよ!」
サハルは納得がいかないという顔でこっちを見ている。
「まあ、なんだ。ちょっとしたSPSのプログラムが入っているからそれで勘弁してくれ」
「ほう……ならいいでしょう」
なんとか何もやってない疑惑を払拭できたな。試作品の一つくらい安いもんだ。
「じゃあ、研究室にいくからまた今度な~」
「はい、わかりましたー」
そう言って私はサハルの前から立ち去った。

おまけ:

私は沙杞と申すものである。
いつもどおりに大学へ向かう途中、なにやら人だかりができていたので私は気になって近づいてみた。
「にゃーご」
猫である。だが、それはある一人の人物のSPSから発生していた。
「あ、サハルちゃん」
「あ、沙杞さんだー。こんにちはー」
サハルちゃんがSPSを操作すると猫が二匹に、四匹に、八匹に。
「すごいなあ……プログラミングができるとこういうこともできるのかー」
「あのあのーこれ私の作ったのじゃなくて義時さんが作ったやつなんですよー」
「へえ……義時がねー」
サハルちゃんがSPSを終了させると、猫は消えてしまった。
「はーい、群衆のみなさーん、解散ですよー」
悲しいかな。帝国建設のデモより人が集まっている。
私は人が散らばっていくのを見届けると大学への道を急いだ。

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