沙杞


種子島義時は呼び出されていた。
「きましたよ。相変わらず本と紙だらけの部屋ですね。今日はなんの用なんです? 沙杞について教えろ。あーわかりました。知っていることを教えます」
種子島義時は手頃な本の上に座ると話しはじめる。
「沙杞は私の従姉妹で幼馴染です。今年二十一になります。大学は来年卒業ですかね。鞄を肩に提げてることが多くて、その鞄には沙杞が好きな小物の類がついてます」
顎に手を当てた種子島義時はそのまま話し続ける。
「そうですね……比較的沙杞はおとなしい性格だと思います。知り合い以外とはめったに話さないし。この地方の人間と違って、洋服でいることも特徴って言えば、特徴かな」
種子島義時は考え込み、そしてまた話し出す。
「そういや長い話をすると寝る癖があります。なので気をつけてください。うーん、それくらいですね。今日のところは失礼します」
そう話し終わると種子島義時は扉のドアに手を当てた。