ファイザル


「叔父について聞きたい? いいですよ。少しの時間なら」
そういうとサハルは本を置いて話し始める。
「そうですねー叔父はとにかく厳格な教徒です。でもとにかく優しくて人に好かれる人だと思います。現にマスジドで働いているのですが、叔父を慕って通う人も多いそうですよ」
サハルは少し悩んだ様子になり、さらに小さな声で話し出す。
「これは秘密なのですが、ちょっと大学と揉めた一件がありまして、教員には叔父のことは言わないでもらえますか? お願いします」
サハルはそのまま続きを語る。
「叔父は大学で法学を勉強してたみたいです。でもあの一件があってから……ああ、知らないと思いますが昔いろいろあったんです」
「すみません、用事があるので、もういいですか?」と言うと、サハルは帰途についた。