サハル


「マスジドへようこそ。今日は何用で? え、あなたの姪のことについて聞きたい? 何故ですか? え? 単なる興味本位? 流石にそれでは教えられません……」
ファイザルはその人物からとあることを聞くと、途端に手のひらを返した。
「いや、私の同志でしたか。確かに家族に危険が迫るようなことをやっている以上、身内のことぐらい共有しておかないといけないかもしれませんね」
ファイザルは続ける。
「サハルは私の姪で、プログラミングの熟練者です。ええ、プログラミングが好きなんです。変わってるでしょう? ヤッファだかダマスクスで製作物が評価されて、無償の奨学金を得て、大学に通っているんですよ。通うのは地元の大学ですが。ええ、自慢の姪ですよ。ちょっと思想は偏ってますが」
静かにファイザルは頷く。
「おや、もう帰られるのですか? ああ、仕事ですか。何卒よろしくおねがいします」